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ノンフィクション体験記


8.座敷わらし


アパートに住んでいた頃、そこには座敷わらしがいました。
そこではポップと言って、レタリングデザインの仕事を夜中に机に向かって、仕事をしていると、後ろを何度かちょろちょろして通過していたのです。

その座敷わらしは、1週間に3回ほど来ていて、いつも来る方向と帰って行く方向が決まっているのです。最初のうちは得体のしれない黒っぽいものが後ろを通るとしか思えなかったのです。

時々家族が 「今、後ろを誰かが通ったよね!、通ったよね!」 と、いつも言っていて、ある日、座敷わらしが出没する時間帯を見計らい、家族で出てくるのを待っていたのです。

すると、いつもの方向からトコトコやって来ました。身長が30センチくらいの女の子。
家族が 「キャー可愛いーい」 と、言ったら座敷わらしは一目散に逃げて行ってしまったのです。

もう二度と来ないだろうと思っていたところ、一週間程経った頃、幸いにもまたお出ましになったのです。

家族と暗黙の了解で、我が家には座敷わらしがいる等と外には一切話していない、むくろ我々だけの楽しみの一つになっていたのです。その後現れる度に我々は
 「また、来てね!」 と、小さな声で話す様になって来たのです。

そんな事もあり、座敷わらしが来ない日は寂しくもなっていたのです。
その後座敷わらしも我々に慣れて来たのか、今度はポップの仕事を後ろからそっと覗き見をする様にもなって来たのです。

我々はなるべく刺激を与えない様に 「ほら、又見ているよ!」 と、小声で話す様にしていたのです。座敷わらしに遭遇した人は幸運が訪れると言われていますが、幸運と言えば、宝くじで高額当選したのは確かにここに住んでいた時でした。

そのアパートには1年ほど住んでいたが、いつもの様にこの座敷わらしがやって来るのを待っていると、ある日突然、今度は黒いコウモリ傘の様な物体が現れて消えて行ったのです。

その後、座敷わらしが現れる事は一切ありませんでした。

ある日の事、私の住んでいるそのアパートの住民の8家族あるうちの6家族が離婚をして出て行ってしまったのです。残った私のすぐ隣の夫婦は、毎日の様に夫婦喧嘩が絶えなかったのです。

そこで、ある日の事、目を瞑ってその土地を透視してみたのです。すると、私が住んでいる真下の土の中に、土葬で丸いお棺に入っている仏が3体眠っていたのです。

そうです。そのアパートはおそらく墓場の上だのです。

公共の機関が経営している不動産部の物件の一部で、新築なのにも関わらずとても安く入居できたのですが、失敗だったのです。その後、1家族は残っていましたが、
我々もこのアパートを後にし、出て来たのです。





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