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ノンフィクション体験記


4.何も出なかった怖い話


夏休みに佐渡島へ行った時の事です。
当時の目的は撮影はもちろん、海水浴と海釣りも一緒に楽しんだものです。

朝晩は撮影し、昼間は沢山の人がいる海岸に入り海水浴も楽しみ、夕方から夜になると人里離れた岸壁で釣りができたのも楽しみのひと時でした。
予約してある民宿に着いたのですが、夏休みという事もあり、沢山のお客さんが民宿にいた記憶があります。

慌ただしく一日が過ぎた最初の晩、食事を済ませ食堂にいた時の事、民宿のおばちゃんが「あのぉ―お客さん」今日は申し訳ありませんが相部屋となりますが、
「よろしくお願い致します・・・」・・・「えっ!」、「いやだよー」と言いたくなるところでしたが、
「どうしてですか?」と聞くと
「実はお客さんが多くて部屋がいっぱいなのです。」少々不満はあったが、相部屋を経験した事がない私はかなりの神経質になっていたのです。

民宿も予約時に人数を把握してあるはずなのに、少し納得がいかないので思い切っておばちゃんに言ってみたのです。「すみません、今日は疲れているので出来れば相部屋じゃない方が・・・」「そうですか!ちょっと待って下さい」。

「それではこちらの部屋でいかがでしょう」と一人部屋に案内されたのです。
畳が濡れていて嫌な感じはするけど、まあ夏場の民宿はどこもムンムンしているのは分かっていた。そしてとうとう寝る時がやって来たのです。

この部屋は蒸し暑くてムンムンして寝られない。
今までこの様な時には、必ず例 (霊) のものがお出ましになっていたのです。
今夜は出る。間違いなく出る。もう眠れません。

夜中に何度も電灯を点けたり消したりしたが、なかなかお出ましにならない。
「おかしいなぁー!」この時はすでに私の気持ちは物音ひとつでパニックにもなる直前だったのです。結局朝になってしまい一睡も出来なかったのです。

朝になって、当然のごとくおばちゃんに聞いたのです。相部屋を進められて断っても結局一人部屋に出来たのだから・・・

「おばちゃん、あの部屋何かあったのですか?」すると「お客さんが、相部屋が無理だと言うので使って頂いたけど・・・」 「それで・・・」 
「あの部屋はねぇー」

「実は昨日まで海で溺れた人を安置しておいた部屋だったのですよ」。
「うっわぁー」 夕べは何も出なかったけど聞いたら急に怖くなりました。





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